レーティングの計算方法 ― 2007年02月28日 08時05分47秒
レーティング
まず、レーティングの定義だが、チームAとチームBのレーティングがそれぞれ Ra, Rbのとき、チームAの勝率を次の式で決める。これは、多くのレーティン グシステムで採用されている一般的な式だ(ロジスティック関数と呼ばれる)。さて、実際に試合を行うと、チームAはチームBに勝ち越し、チームBはチームC に勝ち越し、しかし、チームCはチームAに勝ち越すという三つ巴の結果になる ことはよくある。この現象をどう考えればいいだろうか?
ここで注意する点は、レーティングが高い方が必ず勝つわけではないとい うことだ。あくまでもレーティングが高い方が勝率が高いと言っているだけな ので、レーティングが1000点高くても負ける時は負ける。天気予報で降水確率 が10%だろうと運が悪ければ雨は降るのと同じだ。だから、先のようにレーティ ングの高低に関わらず三つ巴の結果が出ることは十分ありえる。ならば、正し いレーティングを求めるということは、実際の試合結果と、レーティングから 求めた勝率ができるだけ一致するような値を見つける、ということになるだろう。
このような問題の場合によく使われる手は、実際に起こった結果が最も高い確 率で発生するようなパラメータが正しいと推定する方法だ。これは最尤法 と呼ばれる。これを用いると、 試合結果から最ももっともらしい各チームのレーティング値を決定することが できる。 最尤法の具体的な計算法はさすがに複雑になるので、 ここでは述べない。
計算の都合上、手を加えているところが一点。全勝の場合と全敗の場合は、 この方法ではレーティングが無限大と無限小に漸近してしまうため、全勝の場 合は対戦したうちで最高レーティングの相手と1引き分け、全敗の場合は最低 レーティングの相手と1引き分けを番兵として仮に加えて発散を防いでいる。 これにより、例えば、全勝しかつ最高レーティングの敵に2勝した場合はその 敵+約300点に留まる。
以上を大雑把に言えば、すべての勝敗に対して最も「もっともらしい」確率が 得られるように、レーティングを決めるということだ。
参考リンク
- ELO Rating System - 広く使用されている古典的なレーティングシステム
- TrueSkill - X-BOX360のオンラインゲームで使用されている改良されたレーティングシステム。ベイズ推定を使用し、真のスキル値への到達が早い
- Pairwise Comparison - 一対比較法
タイプ別レーティング
次に、対タイプ別レーティングの求め方を説明する。まず最初に総合レーティ ング(上で求めたレーティング)を決める。そして、あるチームAの対車両レー ティングRwaを求めるときには、車両3機編成のチームだけを抜き出し、そこに チームAを加えてやはり最尤法でRwaを求める。ただし、このときは車両のレー ティングは予め求められた総合レーティングに固定したまま変化させない。 大雑把に言えば、対車両レーティングは、車両チームだけの総合レーティング に対するレーティングである。 基準に総合レーティングを用いるので、車両の集団の順位が総じて高ければ、 対車両レーティングは高くなるし、逆に車両の集団の順位が低ければ、 対車両レーティングは低くなる。 また、タイプ別にしたことで試合数が減ってしまうので、レーティングを決め るのに十分な試合数が揃わない場合がある。対戦相手が1チーム以下の場合や3 試合以下の場合はタイプ別レーティングは「算出できず」としている。 (この基準は経験的に決めた)by nas_B [Carnage Heart] [Rating] [コメント(2)|トラックバック(0)]